
定年後に欲しいオーダーメイド家具と、家でモノづくりする夢
最近、オーダーメイドの家具が欲しいと思うようになりました。
といっても、おしゃれなダイニングテーブルや高級なテレビボードではありません。
私が望んでいるのは、「自分専用の作業机」です。もっと言えば、はんだごてや測定器、基板、電子部品などが整理整頓された、電子工作専用の作業環境を手に入れたいと考えています。
私は現在も製品のハード開発に携わっており、日々、測定器に囲まれ、はんだ付けをして、設計に頭を悩ませながら仕事をしています。
正直、疲れることも多く、「定年まであと何年か…」と心の中でカウントしてしまうこともあります。
それでも不思議なもので、仕事から少し距離を置いたところで、もう一度“自分のために”電子機器をいじってみたいという気持ちが湧いてきたのです。
趣味として、自由にものづくりができる環境があれば、それはきっと充実した時間になると思うようになりました。
自宅に“マイ開発環境”を整えたい
そう考えるようになってから、私の中で理想の作業空間がどんどん明確になってきました。
- 工具が一目でわかる引き出し
- 静電気対策済みのマット
- 部品棚にはラベル付きでチップ部品やICを分類
- オシロスコープや電源装置は手の届く位置に
- LED照明で手元がしっかり明るい
こんな環境を「自宅に常設」できたら最高だと思いませんか?
既製品の作業机ではこのような構成は難しいため、用途に合わせた寸法や配置で作業台をオーダーメイドで作ってみたい。
そんな思いが、日に日に強くなってきています。
つまりは、「家の中の小さな開発ラボ」を持ちたい、という夢です。
ネットがある今だからできる、理想の環境づくり
少し前なら、このような構想は夢物語でしかありませんでした。
私が若かった頃は、電子部品を手に入れるのも一苦労で、秋葉原の店舗まで足を運んだり、専門の商社から取り寄せる必要がありました。
基板の製作などは企業の開発部門でなければ難しく、個人ではとても手が出せない分野だったのです。
ところが今は違います。
基板設計のCADデータをネットでアップロードすれば、数日後には実物の基板が自宅に届く時代です。
部品もAmazonや秋月電子、ものたろう、楽天などから簡単に入手できますし、場合によっては海外通販でマニアックなICを手に入れることもできます。
自宅にいながら、設計・実装・評価まで一貫してできる環境が整うなんて、昔では考えられなかったことです。
だからこそ、定年後の時間を有効に使って、ものづくりに没頭できる環境を整えたいと本気で考えるようになりました。
「自分のペースで作る」という贅沢
なぜそこまでして「自宅で電子機器を作りたいのか?」という点については、あらためて詳しく語りたいと思っていますが、ひとまず言えるのは──
“自分のためだけに作る”という行為が、とても魅力的に思えるようになってきた、ということです。
現役では、納期、コスト、歩留まり、評価…と、さまざまな制約とプレッシャーの中で設計を行っています。
もちろんそれが仕事ですが、「自由に部品を選んで好きなものを作る」という余地はほとんどありません。
でも、定年後に作るのは“誰のためでもない自分のためのもの”で、納期もなければ、コスト制約もなし、評価するのは自分だけというこの上ない自由な環境で、思いのままに設計ができるというのは、ものづくり好きにとってこの上ない贅沢です。
測定器が置かれている机が欲しい
本好きな人が「壁一面の本棚に囲まれたい」と言うように、私にとっては「測定器が手元にある作業机」が憧れの空間です。
チップ抵抗やコンデンサ、ICなど、ごく基本的な部品が少しと、あとは工具類と測定するためのオシロスコープや電源装置、テスターなどの測定機器が揃っていれば理想です。
むしろ、測定と検証に集中できる環境のほうが、今の自分にはしっくりきます。
作るものも、きっと派手なガジェットではなく、ちょっとしたセンサー回路や簡単な自動化ツール、ちょっと便利なスイッチ制御装置など、小さな工作ばかりでしょう。
でも、思いついたことをその場で形にできる場所があるというのは、何よりも魅力的です。
ただ、正確に測れる、検証できる、落ち着いて作業ができる──そんな空間をいつか実現できたらいいなと思っています。
まとめ:モノづくりは“自由な時間”の最高の使い道
世の中には、定年後にゴルフや釣り、旅行などを楽しむ人がたくさんいるかと思います。
私にとっては、家の中でじっくりとモノづくりをする時間が、きっとその代わりになるのでしょう。
まだ実際に家具を準備できているわけではありませんが、理想の机や部品棚の構成を考えたり、レイアウトを想像したりする時間そのものが、すでに楽しいものです。
仕事を続けながら、少しずつ構想を練っていき、定年後に理想の作業空間を完成させる──
それが、今の私の小さな目標です。
今回はオーダーメイド家具と自宅作業環境の構想についてお話ししましたが、なぜそこまで電子機器を自宅で作りたいと思うのか、その理由についてはどこかで記事にできたらと思います。
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