定年間近のエンジニアが語る、永遠の憧れ“ジュノーン”――ファイブスターの世界に魅せられて

50代エンジニアが語る「メカ愛」──ファイブスターストーリーズとジュノーンの魅力

こんにちは。

30年近く電子回路とにらめっこしながら働いてきましたが、最近では「あと何年で定年だろうか」と、現実味を持って考えるようになってきました。

そんな節目が近づく中、ふとした時間に昔から好きだったものに触れ直すことが増えてきました。

今回は、そんな「好きだったもの」のひとつではなく、今でも大好きなもの――メカとロボット、そして中でも特に心を掴まれ続けている作品、『ファイブスターストーリーズ(FSS)』について語りたいと思います。

子供のころから「ロボット」が好きだった

僕の世代は、ロボットアニメ全盛期をリアルタイムで体験した世代です。

『機動戦士ガンダム』の放送で宇宙世紀の重厚な物語に心を奪われ、『機動警察パトレイバー』では現実の延長線にあるようなリアルな警察用ロボにワクワクし、アニメ誌で初めて『ファイブスターストーリーズ』のビジュアルを見たときには、あまりの格好よさに一瞬で虜になりました。

もちろん、それぞれに違う魅力がありますが、個人的に最も深く影響を受け、いまだに追い続けているのは間違いなく『ファイブスターストーリーズ』です。

ファイブスターストーリーズとは?その独特すぎる世界

『ファイブスターストーリーズ(以下FSS)』は、永野護(ながの まもる)先生によって1986年から連載されているSFファンタジー漫画です。

一言で表すのが非常に難しい作品で、まずその世界観からして常識を逸しています。

舞台は「ジョーカー星団」と呼ばれる4つの恒星系からなる架空の銀河で、そこでは貴族制が敷かれ、各国が巨大ロボット兵器「モーターヘッド(MH)」を用いて戦争を繰り広げています。

このMHには「ファティマ」と呼ばれる、人造人間型の補助脳システムが搭載されており、主騎士(マスター)とファティマの絆が物語の大きなテーマにもなっています。

物語そのものは複雑で、多数の国・人物・歴史が入り組んだ壮大な年代記となっています。

SF、ロボット、騎士道、恋愛、陰謀、神話、宗教、遺伝子工学…ありとあらゆるテーマが盛り込まれていて、とにかく一言では語れない「壮大な物語の構築美」に満ちています。

そしていまだ現役、そして「続いている」ことへの感謝

このFSS、驚くべきことに今でも新刊が刊行されています。

永野先生の筆の遅さでも有名な本作。

刊行ペースはまさに「年単位」。下手すると数年空くこともあります。

ですが、それでも刊行されるたびに必ず購入し、ページをめくるときのあの高揚感は何年経っても色あせません。

50代になった今でも、「次巻、出るかな」「表紙は誰だろう」と、わくわくしながら本屋に足を運ぶ自分がいます。

これって本当にありがたいことだなと、歳を重ねた今だからこそ思います。

FSSの登場モーターヘッドで一番好きなジュノーン

FSSに登場するモーターヘッドの中で、僕が一番好きなのが「ジュノーン(JUNO)」です。

ジュノーンは、L.E.D.ミラージュなどと並ぶ作中の主力MHであり、騎士「天照(アマテラス)」が設計に関わった機体です。

一見してまず目を引くのがその純白のボディと流れるようなラインのデザイン

他のMHが武骨だったり重厚感を出している中で、ジュノーンは洗練された美しさ、まさに「白き騎士」といった佇まいをしています。

特に初期型ジュノーンは、機能美と芸術性が両立された、まさに「究極のロボット美」を体現した存在ではないでしょうか?

カトキハジメや出渕裕が描くリアルロボットとはまた違った、“永野護らしさ”全開の造形美が詰まっています。

ジュノーンは惑星ジュノーからその名を戴いた、コーラス王家の国王専用モーターヘッドで、見た目だけでなく、作中でも数々の戦績を誇る実力派で、搭乗する騎士との関係性もドラマチックで、ストーリー的にも映えるんです。

メカ好きな人にはぜひ読んでほしい

FSSは、正直なところ初心者には少しハードルの高い作品かもしれません。

キャラの名前はやたら難しいし、時系列は飛びまくるし、設定はページごとに山ほど出てくる。

それでも、「メカが好き」「ロボットのデザインが好き」「非現実な世界にどっぷり浸かりたい」という人にとっては、これ以上に深くて長く楽しめる作品はなかなかありません。

僕のようにガンダムやパトレイバーが好きだった人で、まだFSSを読んだことがないという方がいたら、ぜひ手に取ってほしいと思います。

少しずつ読み進めながら、モーターヘッドやファティマ、そしてジュノーンの美しさに魅了されていく感覚をぜひ体験してほしいです。

最後に:好きなものを語る時間が、最高の癒やし

仕事に追われ、家庭に追われ、気づけば50代。

でも、こうして昔から好きだったものに向き合って、それについて語れる時間があるというのは、ある意味で豊かさのひとつかもしれません。

そして定年後、もっと自由な時間ができたら、プラモでも組みながらFSSの新刊を読み返したり、ジュノーンの立体物を眺めてニヤニヤしたいな…なんて考えています。

ロボットが好きなあなたに、FSS、そしてジュノーンの魅力が少しでも伝わったなら嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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