白い機体のロボットたちが教えてくれたもの
白いロボットと聞いてどんな機体を思い浮かべるでしょうか?
私の場合振り返ってみると人生の節目節目に不思議と白い機体がそばにありました。
子どもの頃はただ純粋にかっこいいと感じていましたが、大人になるにつれてその意味や設計思想に目が向くようになり今では白という色そのものに強いメッセージ性を感じています。
白は目立つ色で、同時にごまかしがきかない色でもあり、設計の甘さや思想の弱さがあればすぐに露呈してしまうという特徴をもっているような気がしています。
だからこそ白いロボットには作り手の覚悟や思想が色濃く表れるのだと思います。
なぜ、あの白い機体がこれほどまでに私の心に深く突き刺さるのか?
今回は、回路設計エンジニアの視点で、5つの名機に込められた「覚悟」と「様式美」を読み解いてみたいと思います。
神話として立ち上がる白|ファイブスター物語ジュノーン
今回はファイブスター物語に登場するジュノーンです。
ジュノーンは単なる兵器ではなく儀式を経て目覚める存在として描かれています。
起動シーンの緊張感や静寂はこれから始まる出来事の格を一段引き上げるものでした。
白いボディは決して派手ではありません。
しかしその佇まいには神聖さと威厳があります。
選ばれた者だけが扱える存在であり、騎士とファティマとの関係性を含めて世界観そのものを背負っている機体でした。
白はここでは正義の色ではあり、選ばれし存在の証です。
ジュノーンの白は見る者にこれは特別な存在だと言葉なく語りかけてきます。
【ジュノーン個別記事はこちら】
現実の中で使われる白|機動警察パトレイ バーイングラム
今回は機動警察パトレイバーのイングラムです。
イングラムの白はジュノーンとはまったく性格が違います。
神話でも理想論でもなくあくまで現実の中で運用される白です。
汚れます、壊れます、整備されます、そしてまた現場に戻っていきます。
この白は現実を生きる色で、組織の論理や人間関係の中でロボットが使われるという現実を非常にリアルに描いていました。
イングラムはヒーローではなく、働く機械だからこそ、白い機体でありながらどこか人間臭く感じられたのだと思います。
【イングラム個別記事はこちら】
理想と現実の交差点に立つ白|RX-93 ニューガンダム
ニューガンダムは私にとって少し遅れて出会った白いロボットです。
最初に惹かれたのは映像ではなくフィギュアで、初めて見たときに、理由はよく分からないのにただ美しいガンダムだなと感じたことを覚えています。
後になって逆襲のシャアを見てその理由が腑に落ちました。
ニューガンダムの白は理想と現実を理解したうえで選ばれた色です。
過剰な装飾を排した機体で、フィンファンネルという先進技術、そしてアクシズを押し返すあの場面はとても印象的です。
技術は人を守るためにある。
その思想をこれほど真正面から描いたロボットはそう多くないと思います。
白は希望であり同時に責任の色でもありました。
【ニューガンダム個別記事はこちら】
ワクワクを詰め込んだ白|マクロスVF-1 バルキリー
今回は変形で忘れることができないマクロスのVF-1バルキリーです。
- 戦闘機
- ガウォーク
- バトロイド
という三段変形は当時としては衝撃的でした。
変形できる超合金は高価で持っている友達の家で何度も変形させて遊んだ記憶があります。
ガウォークにライフルを持たせた姿は今見ても独特の魅力があります。
歌が物語の鍵になる世界観、宇宙船の中に町がある設定、すべてが新鮮でした。
バルキリーの白は理屈よりも感情に訴えてきます。
考える前にワクワクしてしまうというそんな白のような気がします。
【バルキリー個別記事はこちら】
理想そのものとして存在する白|ファイブスタ物語 L.E.D.ミラージュ
今回語るのは、ファイブスター物語のL.E.D.ミラージュです。
見開き一ページ目で描かれた戦闘シーンはマンガという静止画でありながら圧倒的な迫力を放っていました。
無駄な装飾はなくシルエットだけで成立している。
理系的に言えば最適解にあまりにも近い設計です。
多くのロボットが改修や進化の余地を残しているのに対しL.E.D.ミラージュにはその余白がほとんど感じられませんでした。
清潔感や正義を象徴する白ではなく、汚れや妥協を一切許さない理想の白で、完成されたデザインと白いボディは切り離せない必然として成立しています。
ページを開くたび自然と背筋が伸びるような、そんな白いロボットだと考えます。
【L.E.D.ミラージュ個別記事はこちら】
白いロボットが残してくれたもの
こうして振り返るといくつかの白いロボットはそれぞれまったく違う役割と意味を持っていました。
神話、現実、理想、ワクワク、そして完成形。
共通しているのは、どれも作り手の思想が真正面から込められているという点です。
白は逃げ場のない色だと思っています。
だからこそ見る側も真剣に向き合うことになる。
子どもの頃に抱いた憧れ、大人になって感じた現実、今になって理解できる設計思想など、それらすべてが白いロボットという存在を通して一本につながっている気がします。
これからも新しいロボットに出会うたび私は無意識にその白さの意味を考えてしまうのでしょう。
あなたの心に残った“白い機体”はありましたか?
白いロボットに魅力を感じる理由は、その色に込められた理想や覚悟に共感しているからなのかもしれません。
今回紹介した白機体ロボットについて、より詳しい内容はこちらからご覧いただけます。
《ジュノーン(ファイブスター物語)編へのリンク》
《イングラム(パトレイバー)編へのリンク》
《ニューガンダム(ガンダム)編へのリンク》
《バルキリー(マクロス)編へのリンク》
《レッドミラージュ(ファイブスター物語)編へのリンク》
もしあなたにも心に残っているロボットがあれば、ぜひ思い出してその理由がなんだったか思い出してみてください。
あなた自身の価値観がきっと隠れているのではないでしょうか?






