パイロット視点に心を奪われたプレイステーション版機動戦士ガンダムVer1.0の思い出

ロボットが好きだった記憶だけが今でも残っている

子供のころからロボットが大好きでした。

どの作品がきっかけだったのか、正直はっきりとは思い出せませんが、気づいたときには、ロボットという存在そのものに心を惹かれていて、テレビでロボットアニメを見れば夢中になり、本屋で見かければ立ち読みが止まらないくらいにはのめり込んでいました。

その後、自然な流れでガンダムにも出会ったのですが、ガンダムはその中でも特別な存在でした。

他のロボット作品とは違う重厚さとリアリティがあり、キャラクターたちのドラマも奥深く、どんどん引き込まれていきました。

ロボットのフォルムや動き、独特の世界観に触れるたびに、夢のような気持ちになったものです。

そんなガンダムを、ただアニメとして見るのではなく、自分が操縦しているかのように体験できる――そんな夢のようなゲームが出ると知ったときの興奮は、今でも覚えています。

期待を胸に購入した「機動戦士ガンダムVer1.0」

初代プレイステーションで発売された「機動戦士ガンダム」、いわゆるガンダムVer1.0を知ったのは雑誌の記事でした。

そこには「パイロット視点で戦える」「コクピットからの臨場感が再現されている」という文字が踊っていて、ページをめくる手が止まらなかった記憶があります。

それまでもガンダムのゲームはいくつかありましたが、ほとんどは第三者視点のアクションやシミュレーションで、いわば“操っている”感覚が主でした。

しかしガンダムVer1.0は、まるで自分がモビルスーツの内部に座っているかのような体験ができるというのですから、ガンダムが特別な存在だった私には抗えるはずもありませんでした。

ロボットが好きで、ガンダムが好きで、パイロットになりたいという少年のような気持ちは、年齢を重ねてもどこか心の奥に残っているものです。

その気持ちをくすぐるようなゲームに出会ってしまったのですから、発売日には当然のように手に取っていました。

操作は難しい、それでも楽しかったパイロット視点

ワクワクしながら電源を入れ、ゲームをスタートさせた瞬間、画面に広がったのはコクピット越しの景色でした。

視界は狭く、周囲がフレームに囲まれ、モニターには情報が映し出されています。

アニメで見ていた“モビルスーツの内部”そのもので、急に自分がパイロットになったような気分になりました。

ところが、ほどなくして現実を思い知らされることになります。

とにかく僕には操作が難しい。

敵のザクを視界に捉えようとしても、ふいに左右へ動かれて見失ってしまう。

ビームライフルを狙って撃とうとしても照準が微妙に合わず、思ったように当たらない。

機体の動きは重く、右に向きたいのに大きく旋回してしまったり、前に進んだつもりがいつのまにか横に流れていたりとコントロールがなかなかできません。

ある瞬間、「自分はどう考えてもニュータイプではないな」と心の中で苦笑していました。

アムロやシャアのように敵の動きが自然と読めるわけでもなく、直感で操縦できるはずもありませんでした。

ゲームの中で必死にジタバタしている自分がなんだかおかしくなってきて、笑ってしまったこともありました。

ですが、このゲームの面白さはまさにその“思い通りにならなさ”にありました。

不自由さが生んだリアリティと手応え

操作は不自由、視界も狭い、敵は見えにくい、普通のゲームであれば欠点にもなりかねない要素ですが、ガンダムVer1.0ではそれらが逆に臨場感を高めていました。

「本当に巨大なロボットの中にいるってこういうことなのかもしれない」そんな気持ちが芽生える瞬間が、何度もありました。

視界の端で警告が点滅すると心臓がドキッとし、ビームライフルのチャージ音が鳴るだけで緊張が走り、敵機が近づいてくれば汗をかくほど焦り、やっと照準が合ってビームが命中したときの達成感は格別でした。

敵に囲まれて撃破されることも多かったのですが、不思議と腹が立つ感じはありませんでした。

むしろ「次はもう少しうまく動けるかもしれない」と思わせてくれる、そんな魅力がありました。

パイロットとしての未熟さを痛感しつつも、その感覚すらゲームの面白さにつながっていたのです。

大人になって思い出す、あの頃のワクワク

年月を重ね、仕事や生活に追われるようになってからは、あの頃のようにゲームに没頭することは減りました。

それでもふとした瞬間に、ガンダムVer1.0の不器用な操作感や、コクピットで右往左往していた自分を思い出します。

技術が進歩し、今では滑らかな操作で楽しめるゲームが多くなりました。

それでも、荒削りで不自由だったあのゲームのことを懐かしく感じるのは、そこに「特別な体験」があったからだと思います。

ロボットが好きで、ガンダムが好きで、パイロット視点という夢に手を伸ばしたあの日の気持ちは、時間がたっても消えることはありませんでした。

あの画面の向こう側に広がっていた世界は、確かに自分の胸を高鳴らせてくれました。

いつかまた、ゆっくり味わいたい

最近は、これからの時間の使い方を考えるようになりました。

仕事中心の日々から少し離れて、自分の好きなものをゆっくり楽しめる時間を持ちたいと思うようになっています。

もし時間ができたら、あのガンダムVer1.0をもう一度プレイしてみたいと思っています。

当時は必死に操作していたゲームも、今の自分が遊んだらどう感じるのか?

それを確かめてみたい気持ちがあります。

荒削りなゲーム性も今なら新しい魅力として受け止められるかもしれません。

ロボットが好きで、ガンダムが好きで、その世界に憧れ続けてきた自分の原点を思い出しながら、ゆっくりと楽しむ時間を持てたら、それはきっと豊かなひとときになるはずです。

あの頃のワクワクした気持ちを胸に、これからも好きなものと向き合いながら、自分らしい時間を積み重ねていきたいと思っています。

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