TRPGの魅力とは?人生を変えた“想像力の冒険”体験談

1980年代想像力で冒険するTRPGに夢中だった理由

高校時代、僕は寮生活をしており、そこには、マンガやゲームが好きな仲間がたくさんいて、毎日のように趣味の話で盛り上がっていました。

そんなある日、ひとりの友達が持ち込んだのが「テーブルトークRPG(TRPG)」という聞き慣れない遊びでした。

初めて遊んだのは『ロードス島戦記RPG』です。

ダイスとキャラクターシートを手に取りながら、僕たちはファンタジー世界へ旅立ちました。

正直なところ、最初はルールもよくわかっていませんでしたが、それでも、次々と展開される冒険の物語に、僕はすぐに引き込まれていったのです。

TRPGとは?コンピュータのない“ロールプレイングゲーム”

TRPGとは、「テーブルトーク・ロールプレイングゲーム」の略で、紙とペンとサイコロを使って、参加者同士の会話で進めるゲームです。

ゲームにはルールブックがあり、プレイヤーはそれに従って自分のキャラクターを作成します。

戦士や魔法使い、盗賊など、さまざまな職業(クラス)や種族(人間、エルフ、ドワーフなど)を選ぶことができ、それぞれに得意不得意があります。

ゲームを進行するのは「ゲームマスター(GM)」と呼ばれる人で、舞台となる世界や状況を説明したり、プレイヤーの行動に対する結果を判断したりします。

プレイヤーは、与えられた状況の中でどう動くかを話し合いながら決め、その行動が成功するかどうかはサイコロを振って決定します。

つまり、物語の主人公はプレイヤー自身で、あらかじめ用意されたストーリーではなく、参加者の想像力と選択によって、物語が毎回変化していくのがTRPGの魅力です。

▼TRPGの基本的な仕組みや遊び方はこちら▼

初めてのTRPGは「ロードス島戦記RPG」

僕が最初にプレイしたTRPGは、日本オリジナルの『ロードス島戦記RPG』でした。

このゲームは、当時人気だったファンタジー小説『ロードス島戦記』の世界をベースに作られたもので、システムも日本人プレイヤー向けに設計されていました。

やや複雑な海外TRPGに比べて、日本語で書かれた分かりやすいルールと、なじみやすい世界観が僕にはしっくりきました。

もともと僕は小説やゲーム、テレビアニメなどのファンタジー作品が大好きだったこともあり、「自分がその世界に入り込んで冒険できる」という感覚に夢中になりました。

数人の友達と会話と紙とサイコロで、剣を抜き、魔法を放ち、仲間とともにダンジョンを探検するという、画面もコントローラーもないのに、頭の中には鮮やかな冒険の風景が広がっていました。

▼ロードス島戦記について詳しく知りたい方はこちら▼

ダイスの失敗が、最高の思い出になる

TRPGにはサイコロ判定があります。

行動が成功するか失敗するかを、ダイスで決める仕組みです。

ここがTRPGの面白いところでした。

普通のゲームでは、「失敗=悪いこと」になりがちです。

しかしTRPGでは違います。

失敗をリセットすることができず、失敗そのものが物語になるのです。

盗賊キャラクターで国を滅ぼし物語を創った話

これは今でも忘れられない体験です。

当時、僕は盗賊系のキャラクターを使っていました。

盗賊なので、

  • 偵察
  • 隠密行動
  • 鍵開け

などが得意でした。

さらに、隠密行動系に関してはスキルやスペルも組み合わせで、判定成功率は体感で8~9割近くありました。

つまり、「まず失敗しないキャラクター」だったのです。

あるシナリオで、僕は単独で敵地を偵察することになりました。

目的はシンプルです。

  • 敵の規模を調べる
  • 情報を持ち帰る
  • パーティーと雇い主へ共有する

本来なら、何回かダイス振って情報とって終わるはずの任務でした。

しかし、ここで問題が起きます。

ダイス運が最悪だったのです。

隠密判定にことごとく失敗。

敵に発見され、逃走経路も失い、用意していた手段が次々に潰されていきました。

高い確率の手段を有していても、すべてダイスの出目で失敗という最悪の流れです。

という最悪の流れです。

そこで最終的に取れた選択肢は、「逃げる」ただそれだけでした。

幸運だったのは、逃走判定だけは成功したことです。

ここだけ急にダイス運が良くなりました。

そしてGMから聞かれます。

「どこへ逃げる?」

そこで僕は、「雇い主の国へ戻ります」と答えました。

この選択が、すべてを変えます。

結果として、僕は敵を引き連れたまま帰国する形になりました。

当然、その国は奇襲を受けます。

しかも事前情報はありません。

準備もできていません。

完全な不意打ちです。

その後は、まさに乱戦状態です。

そしてGMから聞かれます。

「どう行動する?」

そして我々パーティーは、「混乱状態に乗じて逃げる」と答えます。

無事全員ダイス判定とスキル,スペルで逃走成功となりました。

最終的に、国ひとつが滅びるという結果になりました。

そしてリセットは当然できずに失敗したまま、物語が続くのです。

このとき強烈に感じました。

TRPGは、成功を楽しむゲームではなく、結果を楽しむゲームなのだと。

完璧な作戦でも失敗する。

逆に、無茶苦茶な行動が成功することもある。

そして、その偶然すら物語になる。

これが、コンピュータRPGにはないTRPG最大の魅力でした。

D&Dやクトゥルフ神話TRPGにも手を出す

その後、僕は『Dungeons & Dragons(D&D)』や『クトゥルフ神話TRPG』といった、他の有名なTRPGにも手を出すようになりました。

D&Dはアメリカ発のTRPGで、いわばすべてのTRPGの原点です。

世界観やシステムは重厚で、自由度も高く、「本格的な冒険ができるゲーム」でした。

一方、クトゥルフ神話TRPGは、探索やホラーが中心のシナリオで、「恐怖」や「狂気」という感情までゲームに取り込んでいて、これまた刺激的でしたが、ただ、やっぱり僕はロードス島戦記の世界観とシステムが一番好きでした。

それは、もしかしたら日本人が作った世界だからかもしれませんし、キャラクターや地名に親しみやすさがあり、自分の中にすんなり入り込んできたからかもしれません。

「遊び」と「物語」が融合した体験

TRPGの魅力は、ただのゲームを超えた“物語体験”にあると思います。

普通のテレビゲームやボードゲームと違い、TRPGには決められた「正解」や「クリア条件」がありませんでした。

プレイヤーたちがどう行動するか、物語をどう導いていくかによって、結末はまったく違うものになります。

時には、仲間との意見の違いでパーティーが分裂したり、大事な場面でサイコロの目が悪くて致命的な失敗をしたり、そうした“偶然”すらも、物語の一部として楽しめるのが、TRPGならではの面白さでした。

物語は、誰かが作るものではなく、みんなで創り上げていくもので、それが、TRPGという遊びの本質だったと思います。

定年が近づく今だからこそ、TRPGの価値を再認識する

最近は昔のように仲間と集まってTRPGをする機会はありません。

でも、最近ではオンラインでTRPGを遊べる時代になってきました。

ボイスチャットや仮想マップツールを使えば、全国どこからでも同じ卓を囲むことができます。

そして何より、年齢を重ねた今だからこそ、「自分の人生経験を生かせる遊び」としてのTRPGに価値を感じます。

若い頃にはなかった視点や感性をキャラクターに投影することで、より深い物語が紡げるのです。

また、TRPGはコミュニケーションが中心の遊びなので、人とのつながりを自然に育めるという点でも、定年後の新たな趣味としてぴったりだと思います。

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想像力に引退はない

高校時代に出会ったTRPGは、想像する楽しさを教えてくれました。

ダイスを振りながら、自分の言葉で世界を動かし、仲間と物語を作る経験は、今でも心に残っています。

年月が経っても、その冒険心は消えていません。

年齢を重ねても、自分の中にある想像力があれば、いつでも新しい物語を始められる。

TRPGは、想像力が続く限り、何度でも冒険できる人生のパートナーなのだと、改めて実感しています。

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